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経済学は2030年までになくなるという80年前の講演

2009.07.29 *Wed
今日の試験は「経済学入門」という科目だが、この教科書(林敏彦著)の最終章は「幸せの経済学」と題されている。「経済学」を「科学」と読み換えるだけで、最近蘇我でも政治活動を行っている某宗教法人が一瞬頭をよぎるようなタイトルだが、もちろんそういう話ではなく、経済学を越えて「本当の豊かさとは何か」にスポットをあてた話だった。

本当の豊かさとは、という話題そのものは、国内でもバブルのさなかの89年に出版された「国民生活白書」や「豊かさとは何か」等によって問題提起され、今の私達にもタイトルを聞いただけで、人生の価値はお金じゃないとかそういう話だよなーというようなうっすらとした印象は持てるだろう。

で、確かにそういう話なのだが、びっくりしたのは最も有名な経済学者であるケインズが1930年の講演で言ったというこの言葉:


「重大な戦争と顕著な人口の増加がないものと仮定すれば、経済問題は100年以内に解決されるか、あるいは少なくとも解決の目処がつくであろう。これは経済問題がー将来を見通す限りー人類の恒久的な問題ではないことを意味する」

というものである。また、フランク・ナイトという学者も:

「経済政策の第一義的目的は、人生全体に占める経済政策の重要性を減ずることでなければならない」

と述べたそうだ。経済学の巨人が、経済問題は(究極的には)なくなると述べているのはすごいことだと思う。毎年のようにSiggraphに落とされている私がCGはじきに研究分野じゃなくなると言っているのとでは重みが全然違うのである。

ではその次はどうなるのかというと、ケインズは

「かくて人間の創造以来はじめて、人間は真に恒久的な問題ー経済上の切迫した心配ーからの解放をいかに利用するのか、科学と指数的成長によって獲得される余暇を賢明で快適で裕福な生活のためにどのように使えばよいのか(how to live wisely, agreeably and well)という問題に直面するであろう」

と言っている。ナイトも

「産業活動の主たる意義は、創造的自己表現とより高次の個人的人間的つながりの醸成の分野にあるような日の到来」
「大半の人類の努力と計画が真、美、人間関係の善や文化的成長に向けられる」

と述べている。

政治学でも、19世紀から20世紀前半にかけて、幸福を数値化して最大化するような考え方や、科学的分析手法を用いる政治理論が至上のものとして、まるで経済学のような社会科学に近くなった時代があった。そしてその後しばらく学問としての低迷時代が続いたが、20世紀最後になって、やはり人間関係の結晶である政治活動においては道徳や社会的正義といったものを扱わざるを得ないという考え方が再浮上し、今に至っている。経済学的な考え方で善を扱うことが全くできないとは個人的には思わないけど、技術的問題から道徳的な問題へとパラダイムシフトするというところには類似性を感じた。
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Author:大和田 茂


元IT系の研究家。現在はゲーム/玩具作家をめざしている。


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